世界保健機関(WHO)の発表によると、先月19日の時点でエボラ出血熱の流行国3カ国で感染者数が減少していることがわかった。さらに統計によると、子どもは大人に比べて感染しにくいこともわかった。
(参照:エボラ流行国の子どもたちに教育を・・・各地で学校再開の動き ユニセフ報告)
Photo:The fight against Ebola in Guinea By EU Humanitarian Aid and Civil Protection
これまでに、エボラ出血熱による感染者は疑い例も含め2万2000人以上、死者は約8800人が確認されている。エボラ出血熱が流行しているシエラレオネ、ギニア、リベリアの3カ国のうち、リベリアとシエラレオネでは先月25日までの1週間までに確認された新規感染者数は減少していた。WHOは、エボラ熱への対応は第2段階に入り、終息へ焦点が移っているとみている。患者数の減少傾向から、リベリアで行われていた実験的治療薬「ブリンシドフォビル」の臨床試験は中止が決定された。
感染者数減少の一方で、エボラ出血熱に遺伝子変異が見られるという報告もある。フランスのパスツール研究所の研究グループはギニアの感染者の血液サンプルの分析を進めており、変異し感染しやすくなった場合、流行終息に影響がでる恐れがあると懸念している。もし遺伝子変異が確認された場合ワクチンが効きにくくなる恐れもあり、英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)のワクチンなど安全性が高く有効とされているものにも影響を及ぼす可能性がある。