日系企業の海外進出が増加するなか、医療分野においても日本の医療機関として初となるクリニック開設が実現しようとしている。愛知県一宮市に拠点を持つ社会医療法人大雄会が、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに日本人医師が常駐するクリニックを開設する方針を発表した。
(参照:医療観光 アジアを中心に急成長し競争が激化)
Photo:Little monks, Inle Lake, Nyaung Shwe, Myanmar, 2012 By Fabionik
民主化が進んでいるミャンマーへ進出しようと、多くの日系企業が乗り出している。同時に医療分野での進出への動きも見られており、社会医療法人大雄会は、日本の医療機関としては初となる日本人医師が常駐するクリニックを開設する方針を決定した。日本の医療機器や設備を提供するだけでなく、ミャンマーでの医療の質の向上も視野に入れ人材育成も行うという。伊藤伸一理事長は、2015年度中の開設を目指すと話している。
日本の医療ツーリズムや医薬品を含む医療産業は、世界的に見ても後れを取っている。産業活性化のため政府も対策をとっており、安倍総理は、経済産業省の支援で2011年に設立された、海外に医療サービスや医療機器を展開するための組織「MEJ」(Medical Excellence JAPAN)を大幅に改組。これまでの、国内に海外の患者を受け入れる「インバウンド」ではなく、海外へ展開していく「アウトバウンド」の促進をメインとする組織体制へと生まれ変わった。高水準を誇る日本医療の需要拡大のため、多方面でさらなる努力が必要となる。