これまで、高齢女性は体重の増加が骨折を予防するとされてきた。しかし米研究チームによる新たな研究で、体重の増加・減少ともに骨折リスクを高めていることが指摘された。
(参照:骨粗しょう症患者 2人に1人が骨折に気付かず)
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米カリフォルニア大学ロサンゼルス校デービッドゲッフェン医学部教授のCarolyn Crandall氏らが行った研究では、健康な閉経後女性12万人を平均11年間追跡し、体重の変化における骨折リスクを調べた。その結果、5%以上の体重減少は股関節骨折のリスクを65%上昇させ、同時に上肢骨折、体幹部骨折のリスクも上げており、5%以上の体重増加は上肢骨折のリスクを10%、下肢骨折のリスクを18%上げていた。この研究結果は、「BMJ」1月31日号に掲載されている。
日本国内では骨粗しょう症の推計患者数は約1,280万人いると言われているが、半数以上は自覚しておらず、周囲から指摘されてようやく気付くというケースも多い。とくに高齢者は骨折から寝たきりになるケースもあり、冬場の積雪や凍った路面での転倒による骨折に注意するよう呼びかけられている。