社会保障と税の共通番号であるマイナンバー。1年後の運用開始を控え、新たに医療分野へと利用範囲を広げ、予防接種やメタボ検診などにも活用していくこととなった。
(参照:ロボット手術 指導医の認定制度を発足)
Photo:Numbers By Andy.Schultz
16日、マイナンバー等分科会でマイナンバー法改正案の概要が提示された。この概要には銀行預金と医療分野での活用が明記されている。銀行預金の場合は、ひとりの人が複数の銀行口座を持っている場合に名寄せをすることができ、税務調査の効率向上にもつながるという利点があることがわかった。2018年からは口座開設の申請用紙にマイナンバー記入欄を追加し、預金者が登録できる仕組みづくりを行う見通しとなっている。登録は任意だが、21年をめどに義務化を検討している。
医療分野においては、保険料の徴収などに限られているが、予防接種やメタボ検診などにも範囲を広げる。これにより、転居や退職などをしても行政機関での情報の受け渡しをスムーズに継続させたり、予防接種の履歴も正確に把握することができる。しかし一方で、情報漏洩のリスクや、過去の情報を第三者に知られたくないという反発が出ることも考えられるなど慎重な声も挙がっている。マイナンバーは16年の運用開始を予定しており、10月には日本に住むすべての人へ12桁の番号が通知される。