将来妊娠・出産したいと考える女性は多く、高齢出産が増えていくなか、卵子凍結保存を考える女性も多く見られるようになった。しかし卵子凍結保存をすれば必ずしも高齢出産が可能となるわけではなく、少なからずリスクを伴うのが実情である。日本産科婦人科学会の専門委員会は先月25日、卵子の凍結保存を推奨しないという見解を発表した。
(参照:卵子凍結 希望する女性の増加に合わせた地方自治体の取り組みも)
卵子凍結保存は、排卵誘発剤を服用し特殊な針で卵子を吸引していくが、排卵誘発剤や針の刺激が卵巣過剰刺激症候群を引き起こすリスクがあるため、しばしば実施の是非を問う議論が起こっている。日本産科婦人科学会の専門委員会は、若い健康な女性が将来の妊娠や出産に備えて卵子凍結保存を行うことは「推奨しない」という見解を発表している。一方で、日本生殖医学会などでは若い女性の卵子凍結保存を容認しており、医療機関間でも見解の違いが見られる。
千葉県浦安市では先月23日順天堂大学病院と協力し、将来に備えた卵子凍結保存にかかる費用や人件費の一部を補助することを発表している。対象年齢などは決まっており、リスクや妊娠の可能性についても病院側からの説明を受ける必要があるが、自治体としては初めての取り組みとなる。