依然猛威を振るうエボラ出血熱への対策として、世界各地でさまざまな研究が進められている。長崎大学と東芝は、エボラ出血熱の検出に関して、時間短縮可能な新手法を開発したことを発表した。有効性が確認されれば、これまで2時間近くかかっていた判定は20分程度で可能となる。
(参照:リベリア、新たなエボラ出血熱感染者ゼロ 流行の終息へ)
Photo:Safe and Dignified Burials in Guinea By United Nations Photo
世界保健機関(WHO)は12日にエボラ出血熱が流行する西アフリカのギニア、リベリア、シエラレオネの3か国の状況を発表した。感染者は2万4350人に達し、そのうち1万4人が死亡し、死者数がとうとう1万人を超えた。リベリア政府は今月5日、4月末までに新たな感染者が出なければ流行の終息宣言を行うと発表しているが、他2カ国では未だ感染者が増え続けている。
今回、長崎大学らが開発した新手法は、患者のDNAを採取し増幅させてエボラウイルスに特有の遺伝子型の有無を調べるというものである。また同大学らは、4倍以上の早さでDNAを増幅させる試薬を開発しており、これによって大きな検査時間短縮が可能となる。長崎大学の安田二朗教授は、判定時間が短縮されれば、感染拡大の抑制にもつながるとしている。17日にギニアで使用を開始し、有効性を確かめていく見通し。