2013年12月頃から流行が確認され、昨年6月頃から爆発的に感染者数を増やしてきたエボラ出血熱。国連エボラ緊急対応派遣団(UNMEER)は、エボラとの闘いが最終局面であるという認識を示している。
(参照:リベリア、終息宣言前に新たなエボラ出血熱感染者報告)
世界保健機関(WHO)の報告によると、25日現在でエボラ出血熱の感染者は2万4907人、そのうち死亡者数は1万326人に達した。死亡率は約4割となり、その中での乳幼児の死亡率は極めて高い。感染から症状が出るまでの日数も年齢が低いほど早く、45歳以上は平均11.1日に比べ1歳未満が平均6.9日だった。多くの感染者を出したギニアでは、5地域を対象とした45日間の衛生緊急事態を宣言している。UNMEERのアフメド代表は29日、「エボラ出血熱との闘いが最終局面に入った」との認識を示すとともに、ギニアの衛生緊急事態宣言を評価している。
エボラ出血熱に関する研究も日々進められている。東京大学医科学研究所の河岡義裕教授ら研究チームは、エボラウイルスの新しいワクチンを開発しており、すでにサルで感染予防効果の有効性を確認している。今後は早期実用化のため、ヒトに接種できる安全性基準を満たしたワクチン製造や臨床試験を進めていくとのこと。