国立研究開発法人国立がん研究センターは今月2日、乳がんの脳転移メカニズムにエクソソームが関与していることが判明したと発表した。これにより、早期診断や新たな治療法の確立が期待されている。
(参照:人口動態統計の年間推計 死因1位は今年も「がん」)
国立がん研究センターは、がん細胞より分泌される微小な小胞エクソソームが、生体バリアである血液脳関門の破壊に関与することで、がんが容易に脳転移を起こすことがわかったと報告している。また、患者の血清から特定のマイクロRNAを検出することで脳転移の早期発見につながる可能性があるとしている。この研究結果は世界に先駆ける結果となった。
日本で乳がんと診断される女性は1年間で4万人にものぼるという。乳がんは比較的性質の良いがんと言われており、早期発見・治療をすれば完治率も高い。しかし、治療後、長期間を経てから脳転移が認められることもある。今回の国立がん研究センターの研究結果は、乳がんだけでなく脳転移の早期発見にもつながるとして、新たな治療法の確立・応用へと大きな期待がかけられている。