りんごのように頬が赤くなる「りんご病」。今年は例年に比べ格段に感染者数が多く、成人が感染すると重症化することもあり、妊娠している場合は流産や死産の恐れもあるため注意が必要だ。
(参照:国立がん研究センター 乳がんの脳転移のメカニズムを解明)
Photo:Virus effects By csaveanu
りんご病は正式には「伝染性紅斑(こうはん)」といい、ヒトパルボウイルスB19というウイルスによる感染症である。子どもが頬を赤くしていることから、りんご病と言われることが多い。子どもの場合は、感染しても両頬が赤くなったり、腕などに赤い斑点が出る程度で1週間ほどで自然に治るが、成人の場合、風邪症状や手の腫れ、関節痛や筋肉痛など全身に症状があらわれてくる。妊娠している場合、妊娠前期や中期に感染すると、約30%の確率で胎児にも感染するといわれている。胎児が感染すると心不全や胎児水腫などを起こし、流産や死産につながることもある。
ワクチンがないうえ、潜伏期間が長くウイルスが伝播しやすいため、妊娠中は子どもの集まる場所に行くことを控え、流行時期を把握しておくなどの対策が肝要となる。昨年10月半ばごろより感染報告数が急増しており、第12週(3/16~3/22)は1258件と例年に比べて報告数が格段に多く、警戒が必要である。