減少傾向ではあるものの、現在も流行が続くエボラ出血熱。回復後も、けん怠感や視力の低下などの原因不明の症状「ポスト・エボラ・シンドローム」を訴えている人がいることがわかった。
(参照:エボラ出血熱との闘いは「最終局面」 終息に向けた緊急措置も)
Photo:Ebola in Guinea By EU Humanitarian Aid and Civil Protection
最新の研究で、エボラ出血熱後も眼球など臓器の一部にウイルスが残っている可能性があるということがわかった。世界保健機関(WHO)はこの症状を「ポスト・エボラ・シンドローム」と呼んでおり、調査を進めている。また、回復後にこれらの症状を訴えた元患者の眼球の中からウイルスが検出されたという論文もアメリカの医学誌で発表されている。回復後の元患者との接触で感染が広がることはないとしているが、流行国である西アフリカでは、回復後も差別や偏見が広がっている現状である。流行国では、感染経路の半数が判明しておらず、感染リスクの高い埋葬も行われている。
1人でも感染者が入いれば流行は続くとともに、これから雨期になるため、各地の孤立化やコレラなどの感染症の流行も懸念されている。