厚生労働省の平成26年度「賃金基本統計調査」によると、女性医師の平均年収は948万円となっています。
女医の年収は、他の職業の同年代の女性と比較するとかなり高収入であると言えるでしょう。
ただし、同調査によれば男性医師の平均年収は1,238万円であり、女性医師の平均年収を大きく上回っています。
医師の給与に大きな男女差があるわけではないのに、この平均年収の男女差はどうして生じるのでしょうか?
医師の平均年収に男女差が生じる理由は?
男女の平均年収の差について、年齢別にもう少し詳しく見てみましょう。
研修医を経て医師として勤務し始める25~29歳では、男性625万円、女性588万円となっており、それほど大きな男女差は生じていません。
差が広がり始めるのが30代以降です。
30~34歳:男性956万円 女性823万円
35~39歳:男性1,225万円 女性1,132万円
40~44歳:男性1,589万円 女性1,129万円
40代前半では、平均年収に400万円以上の差があることがわかります。
平均年収の男女差が広がり始める30代前半は、多くの女性医師にとって結婚・出産を迎える時期にあたります。
結婚や出産を機に一時的に休業する女性医師は少なくありません。
その後復職する場合でも、キャリアが途切れたことによる同年代男性との給与の差はやはりある程度生じると言えるでしょう。
また、子育てのために非常勤やアルバイトといった働き方を選ぶ女性医師も多く、40代前半で見られる400万円以上の男女差はこういったことによって生じていると考えられます。
結婚・出産後の女医のキャリア・働き方は?
年収は男性医師と比較すると低くなる傾向があるとはいえ、出産・結婚によるキャリアの中断後にも、医師として復職する働き口が見つけやすいことは女性医師の大きな強みとなります。
また、子育て中などフルタイムでの勤務ができない時期にもアルバイトや非常勤といった勤務形態で医師としての仕事を続けることができます。
フルタイムの勤務と比較すればもちろん給与は低くなりますが、一般的なアルバイトやパートの仕事と比べればかなり高額な収入を得ることができます。
子育てと仕事を両立しながら安定して十分な収入を期待できるのは医師という職業の魅力の一つです。
女性としての生き方とともに、医師としてのキャリアを考えていくのであれば、常勤にこだわるのではなく、家事や育児と仕事とを両立しやすい働き方を十分に検討するのが大切だと言えるでしょう。