日本国内において女性医師は比較的多く誕生しており、今後も増え続けることが予想されています。
その一方で、女性医師は男性医師と比較して離職率が高いこともわかっています。
女性医師が離職する理由にはどういったものがあるのでしょうか?
離職率を下げるために少しずつ増えてきている取り組みなどと合わせてお伝えします。
女性医師の離職率は高い
日本医師会の調べでは平成12年以降の医師国家試験合格者のうち毎年30%以上が女性だという結果が示されており、女性医師の数も毎年数千人規模で増えてきています。
その結果、医師全体に占める女性医師の割合は20%近くまで上昇してきました。
しかし、平成22年の厚生労働省「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、年齢別の医師数における女性割合は25歳から29歳が35.86%なのに対して30歳から34歳では31.78%、35歳から39歳になると25.39%まで落ち込み、40歳以上60歳未満では17.61%に下がっています。
離職率の高さや復職率の低さがわかります。
女性医師の多くが出産・子育てを理由に離職
「日本の医師受給の実証的調査研究」から女性医師と男性医師の活動率の差がわかります。
男性が60歳まで緩やかな下降線を描くのに対して女性は30歳、35歳と極端に下降した後若干の上昇を経て60歳で男性の活動率と同等水準に落ち着いています。
つまり女性医師は35歳までに一旦職場を離れるケースが多いのです。
日本医師会では女性医師の休職・離職理由を調査しており、最も多い理由として「出産」次に「子育て」だったと報告しています。
出産や子育てを離職理由に挙げる女性医師が多いのは、医師の専門性や置かれる環境にあるようです。
まず、医師という職業が非常に特殊で専門性を必要とする点。常に新しい知識や技術の習得を求められるため、出産育児に集中できなかったり、育児をしながら知識や技術を維持することが難しいと感じたりすることが原因として考えられます。
次に勤務先によって長時間労働や当直業務があること、休日夜間を問わず急な呼び出しがある点。
時間や精神的・肉体的な無理が生じてしまい、両立できないと判断して離職や休職を選択するようです。
女性医師の活躍を支援する動き
地域間や診療科間で医師の格差が広がり、一部では医師が不足する事態になってきており、女性医師の重要性はより一層注目されるようになってきました。
その結果、女性医師の離職理由の上位を占める出産や育児に対して理解を示し、支援できる体制を作ろうと国や日本医師会が動き始めています。
最近では、育児期間中の当直免除や呼び出しの免除、短時間労働の導入が広がり、今後も院内保育の充実や緊急時の育児サポートなどの支援が考えられています。
また、一度離職した女性医師に対しても復帰プログラムの一環として研修制度を充実させたり、働き方に柔軟性を持たせるために講師など医師を育てる職種が検討されたりしています。
今後、こういった取り組みが進み、女性医師の働く環境が今より働きやすいものになっていけば、女性医師の離職率も下がっていくかもしれませんね。
女性医局では女性医師の活躍のサポートとして、当直なし、オンコールなし、週4日勤務の案件を充実させております。また、復帰のサポートとして、はじめは週1~2日の定期非常勤をし、徐々に常勤へと移行していく勤務形態のご提案もしております。
専任コーディネーターが、より長く勤務できるようにサポートいたしますので、転職・就職の際は一度ご相談ください。