近年、女性医師の割合は増えてきていますが、医療業界にはまだまだ男性優位の風潮が残っています。
それに伴い、職場でのセクハラやパワハラに悩む女性医師が増えてきていることは大きな問題です。
しかし、ただ黙って耐えていても問題の解決には繋がりません。
今回は、多くの女性医師が悩むセクハラ・パワハラ問題についてお話しいたします。
本人が不快に感じたら「セクハラ」
女性医師は仕事が非常に忙しいのが通常で、プライベートな時間を取る暇がほとんどないということも珍しくありません。
そのため晩婚化しがちですが、そのことについてしょっちゅう上司に言及されるという方も。
結婚願望がある女性の場合、そのことで心を痛めたり、不快な気持ちになったりすることもあるでしょう。
上司にとってはただの冗談のつもりでも、本人が不快に感じたらそれはセクハラです。
また、女性医師が抱える「出産に伴う休職とキャリアへの影響」の問題がセクハラに関わってくる場合も。
研修中の指導医師や上司から、「どうせ出産で辞めるのだから」と蔑ろな扱いを受けたことがある女性医師は少なくありません。
このような性差別的扱いや発言も、立派なセクハラにあたります。
しかし、閉鎖的な医療業界では、女性医師へのセクハラは仕方のないことと諦められてしまっている部分があります。
女性医師ならではのセクハラ対策セミナーに通う方法も
中には、女性医師の地位向上や、セクハラに対する問題意識向上のために定期的にセミナーなどを開いている医療機関も存在します。
そのような医療機関にコンタクトを取って情報を共有することや、実際にセミナーに通って知識を身に着けることも大切です。
専門のカウンセラーがいる場合もあるため、悩みが深い場合は相談するのもひとつの方法です。
不快な話題は不快であることをハッキリと示し、どうしてもセクハラが止まらない場合は弁護士や社労士に相談するようにしましょう。
また、同じように悩んでいる女性医師や看護婦と共に訴えて病院としての対応を確認する方法もあります。
大切なポイントとして覚えておきたいのは、セクハラは訴えることが可能であるということです。
これは、相手が患者である場合も変わりません。
セミナーなどで知識を身に着けておけば、訴訟の際に有利な証拠を手に入れることに繋がります。
直ちにセクハラ行為やパワハラ行為を止めさせられなくてもその後の交渉を有利に進められるようになるのです。
女性医師が仕事をしやすい環境を作るために医療界全体で意識を改めることは、医師の過労働や不足の解消にも関わる重要な命題です。
そのためにも、不快なことは不快であると伝え、性差による不当な扱いを良しとしないようにしていきましょう。