年度が変わったこともあり、心機一転の思いで仕事やプライベートに取り組んでいた4月。しかし、1か月が経過して気持ちも少し落ち着いてくると、「なぜかモヤモヤ、イライラすることが多くなった」「眠れなくなったり頭痛が起こるようになった」このような悩みを持つ医師も多いでしょう。
5月付近に起こるこういった症状のことは、一般的に五月病だといわれていますが、ただの五月病だと思って甘く見ていると、さらに症状が悪化して本格的な「うつ病」になってしまうかもしれません。とくに、日頃から激務を続けている医師は、うつ病になりやすいといわれているため注意が必要です。そこで今回は、医師とうつ病の関係、またうつ病対策についてご紹介いたします。
なぜ医師がうつ病になってしまうのか?
・働きすぎている
通常業務あとの残業はもちろん、夜勤や当直までこなし、さらに休日の呼び出しにまで対応している……このような激務にも耐えている医師の方は多いでしょう。
久しぶりの1日オフがあっても、いつ病院からの呼び出しがあるか分からないとなると、気も休まりませんよね。このように、毎日同じように忙しく働きつめていたり、何日も連続で病院にい続けていたりすると、心と体が疲れ切ってしまうのは当然ともいえます。
しかし、周りの医師たちも同じような労働状況にいると、自分だけが休みを取ったり疲れを感じたりしていることに引け目を感じてしまうことも。これこそが、うつ病のはじまりといえます。知らず知らずのうちに自分を責めている、自分が悪いと思っているという場合には、少し心と体をゆっくりと休ませてあげることが大切です。
・人間関係に問題がある
医師といえども、会社勤めのサラリーマンと同じように1つの大きな組織の中で働く1人の人間です。先輩医師や後輩医師、看護師などさまざまな人との人間関係があり、その中で悩んだり悔しい思いをすることもあるでしょう。
さらに、医師はこの病院内の人間関係に加えて、患者との関係も抱えています。医療の現場では以前から問題に挙がっていますが、理不尽なクレームや要求を言ったり、脅しや暴言などを平気な顔で投げかけてくるモンスターペイシェントも増えています。この問題は個人の医師だけで解決できるものではありませんが、医療従事者が1つになって、モンスターペイシェントに立ち向かっていくことが重要なポイントとなりそうです
医師がうつ病を避けるためにすべきこと
激務で常に時間に追われながら業務をこなす医師は、生活習慣や食生活が乱れがちです。
仮眠程度の睡眠しかとらず、診察や業務の間にカップ麺などのインスタント食品を食べているだけでは、健康状態をキープできるとはいえません。
まずうつ病を予防するためには、生活習慣の改善と食生活を見直していくことが大切です。とても基本的で当然のことに思えますが、忙しい医師にとってはこれが意外にも一苦労。
しかし、朝に太陽の光を浴びて一息ついたり、きちんと食事をする時間を設けるだけでも心や体をリラックスさせることができます。時には肩の力を抜いて、自分のことを1番大切に考えてあげるようにしましょう。
五月病とうつ病は似たように感じてしまいますが、五月病になったらうつ病になる手前にいると考え、きちんと周りの環境や仕事について見なおしてみることが大切です。
手遅れになる前にできることから始めていきましょう。