前回の記事では、母親の食物除去についてご紹介しましたが、今回は「食物アレルギーを発症しやすい食材」についての紹介です。
我が子の食物アレルギーを心配する母親にとって、アレルゲンになりやすい食品は気になるところでしょう。一体どのような食材がアレルギーを引き起こす可能性が高いといわれているのか、日清オイリオグループが行ったアンケートと、消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業」平成23年即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果報告の資料を参考にしながらチェックしていきましょう。
食物アレルギー原因食物の割合
(出典:消費者庁「食物アレルギーに関連する食品表示に関する調査研究事業」 平成23年 即時型食物アレルギー全国モニタリング調査結果報告)
食物アレルギーのアレルゲンとなる食物の中でも、最も多いといえるのが全体の39.0%を占める「鶏卵」です。その中でも、卵黄よりも卵白に含まれるタンパク質によってアレルギーを起こす割合が高いといわれています。
次いで多いのが、牛乳や小麦です。年齢とともに割合は徐々に落ち着いていきますが、とくに牛乳は成長につれて飲めるようになる人が多いようです。
このように、食物アレルギーの症例数が多く、アレルギーの症状が重くなる食品を「特定原材料」といい、卵・乳・小麦・そば・落花生・えび・かにの計7品目がこれに定められています。
もちろん、食物アレルギーの対象食品や症状には個人差があり、これらの食品以外にもアレルギー症状を起こす子どもはいるため、注意が必要です。
食物アレルギーと診断される前から母親が最も心配していた食材は「卵」
(日清オイリオグループ 第5回乳幼児の食物アレルギーに関する実態調査【図4】引用)
2016年12月27日~2017年1月5日の期間内で、日清オイリオグループが全国の食物アレルギー疾患と診断されている離乳食期の乳幼児をもつ母親に対して、インターネット調査を行いました。
このアンケート調査の中で、「子どもが食物アレルギーと診断される以前から、最も心配していた食材は?」という質問をしたところ、73.1%の母親が「卵」と回答しました。
これは、卵の食物アレルギーを持つ人が多いということが原因として考えられます。
また、卵に次いで心配していた食材に選ばれたのが、乳・乳製品(14.9%)、小麦(6.0%)でした。この結果は、アレルギー食物原因食材の割合と同じで、やはり実際にアレルギーを発症している人が多いからこそ、心配になってしまうようです。
卵や乳・乳製品、小麦は、たくさんの料理や加工食品に使用される食材。食物アレルギーの症状を抑えるためには食物除去が必要になりますが、上位3つのこれらの食材の食物除去にはとくに神経をとがらせる必要があると言えます。
先述もしている通り、食物アレルギーの対象となる食材は個人差がありますが、赤ちゃんによっては1つだけではなく、2つ3つと重ねてアレルギーを発症することもあります。
赤ちゃんや子どもに少しでも異変があったときには、速やかに病院を受診するようにしましょう。