食物アレルギーの原因となる食材は個人や年齢によっても差がありますが、症状の出方もさまざまです。アレルゲンとなる食べ物を食べてからすぐに症状が出れば気が付きやすいものですが、はじめての育児の場合はなかなか症状に気が付かないこともあるでしょう。
しかし、食物アレルギーはひどい場合、死に至ることもあるため油断してはいけません。
子どもの食物アレルギーにいち早く気が付けるよう、前もって主な症状についてチェックしていきましょう。
食物アレルギーに見られる症状
食物アレルギーの症状の種類はさまざまです。食物アレルギーは乳児期のうちに現れることがほとんどで、成長とともに症状が落ち着くことが多いですが、これは乳児の消化機能や消化酵素が未熟なためだといわれています。
いち早く赤ちゃんの異変に気が付けるよう、それぞれの症状の特徴を見ていきましょう。
・皮膚症状
食物アレルギーを持つ患者のほとんどに見られるのが、皮膚への異変です。この症状を起こす割合は、約9割ともいわれています。具体的な症状は、かゆみや蕁麻疹、赤みなどの皮膚への異常です。アレルゲンを含む食品を食べると、すぐに症状が出やすいのも特徴です。
・粘膜症状
唇の腫れや口内のイガイガ感、目元の腫れや目の充血などが粘膜症状の特徴です。
また、見た目では判断ができませんが、のどの粘膜が腫れて声が枯れたり、出なくなったりすることもあり、ひどいときには窒息してしまうこともあるため、注意が必要です。
・呼吸器症状
くしゃみや咳込み、咳、鼻水、鼻詰まりなどの呼吸器への異変も食物アレルギー症状の1つです。これは皮膚・粘膜症状の次に多いと言われていて、症状が重い場合には息をするときにゼーゼー、ヒューヒューと喘鳴が起き、呼吸困難を引き起こすことがあります。
・消化器症状
症状の重度はさまざまですが、腹痛や吐き気、嘔吐、下痢などの消化器症状が起こることもあります。場合によっては、血便が出ることもあります。
・循環器症状
食物アレルギーの症状が重く、循環器症状を引き起こすと、脈が速くなったり手足が冷たくなったりすることも。血色が失われて唇や爪が青白くなり、血圧低下が見られることもあるため要注意です。
・神経症状
ぐったりとして意識が朦朧としてくると、神経症状を起こしていると考えられます。
これ以外にも、血圧低下や頭痛なども症状として挙げられます。
・アナフィラキシー
全身性症状ともいわれているアナフィラキシー。食物アレルギーの症状の中でもとくに危険で、複数の臓器に異変が出ることで起きる症状です。全身に食物アレルギーの症状が出て、最悪の場合には、血圧が下がって意識が失われることもあります。このような状態のことをアナフィラキシーショックと言い、最悪の場合には命にかかわることもあります。
食物アレルギーの症状は、アレルゲンを含む食品を食べてすぐに出るものが多いですが、中には半日~1日、長いと2日後に異変が起こることもあります。食べた直後に症状が出る即時型食物アレルギーの場合、体調の異変を食物アレルギーによるものと結びつけることができますが、症状の表れが遅い遅延型の場合にはアレルギーを見極めることが難しくなります。赤ちゃんは食物アレルギー以外にも体調を崩しやすいため、判断に困ることもありますが、少しでも異変を感じた場合には、すぐにかかりつけの医師に相談してください。