平成24年の内閣府調査では、「自宅で人生の最期を迎えたい」と希望する人が、全体の54.6%に上りました。
このような現状のもと、在宅医療を希望する高齢者が増えています。
それと同時に、家族の介護をしながら勤務をするという医師も多くなっていて、仕事と介護の両立を余儀なくされています。
そこで今回は、高齢者のBMI、BMIを下げないための介護食についてご紹介いたします。
そもそも“BMI”とは?
“BMI”とは、ボディー・マス・インデックスの略で、体重と身長の数値によって、肥満度を表した“体格指数”のこと。「体重(kg)÷身長(m)÷体重(km)=BMI(体格指数)」という式で計算することができます。
BMIが18.5を下回った場合には低体重、18.5~25の場合は普通、25以上の場合は肥満と決まっていて、数値が「22」になることが最も理想的だといわています。
太り過ぎや痩せすぎに当てはまらないことからも、生活習慣病などにかかりにくく、健康がキープしやすい状態であるといえるでしょう。
高齢者の“BMI=20以下”は死亡リスクが高くなる!?
健康体をキープするためには、ダイエットや運動をして肥満を防ぐという考え方が一般的ですが、高齢者の場合は健康のために痩身を防ぐということが大切になります。
とくに高齢になると、BMIが20を下回ると低栄養傾向があるといわれています。
低栄養傾向で痩せすぎということは、体を動かすために必要なたんぱく質やエネルギーなどが不足しているのです。
体を動かしたり、筋肉や骨などを作るための栄養が足りていないということは、自然と体力や免疫力低下につながり、感染症や病気にかかりやすくなってしまいます。
要介護者の低栄養傾向が問題に!?
(日清オイリオグループ 第11回在宅介護事情調査【図6~8】引用)
日清オイリオグループが行ったアンケートで、60歳以上の要介護者を在宅介護している方100名に対して「要介護者のBMIは20以上・以下のどちらですか」と聞いたところ、数値が20を下回るのは36%(【図6】参照)という結果になりました。
半数以下ではあるものの、3分の1以上の方が低栄養傾向にあることが分かります。
また、介護食作りが大変だと思っていると回答した69名の方々に、要介護者のBMI値を訪ねたところ、数値が20以下を下回ったのは42%(【図7】参照)でした。
対して介護食作りを大変だと思っていない方の要介護者のBMI値は20以下が23%(【図8】)と少なく、介護食作りを大変だと思っている方と比べて、数値に大きな差があることは一目瞭然となりました。
高齢者の低栄養傾向を防ぐためには、とにかくバランスの良い食事を摂取してもらうということが大切です。
介護者側からすると、1日3食バランスのいい介護食を作るのは大きな負担になるかもしれませんが、市販の介護食品なども上手に活用して、栄養のある介護食作りを心掛けてください。