フリーランスの女医をテーマにしたドラマが一躍話題となりましたが、本当に存在するのかと疑問に思う方も多いでしょう。
実は、現在の日本では約1万人ものフリーランスの医師がいると言われています。
フリーランスの医師の場合、自分のライフスタイルに合わせて働き方を調整することができるので、時間を有効活用できることが大きな特徴です。
では、フリーランスの働き方からメリット・デメリットを掘り下げていきましょう。
フリーランス医師とは?
フリーランスの医師とは、特定の病院に勤務するのではなく、いわゆる非常勤のような働き方をするのが特徴です。アルバイトやパートの場合、シフト時間の規定があるため急な用事が入ってしまった場合のシフト変更ができませんが、非常勤務のようなフリーランス医師の場合、自身の都合で出勤日や勤務時間、病院を選ぶことができます。
医師というと病院に勤務する「勤務医」や自ら開業する「開業医」などが考えられますが、魅力の多いフリーランスの医師が増えてきているのです。
フリーランスの医師は増加している理由とは?
・スーパーローテーションの導入
現在の日本では、研修医の研修制度として「スーパーローテーション」という制度がとられています。かつては、医学部を卒業した際、新人医師は卒業大学付属の病院で研修することが義務づけられていました。しかし、スーパーローテーション制度が導入されたことにより、新人医師は研修場所を自由に選択できるようになったのです。
さまざまな病院で経験を積むことで、各方面から仕事の依頼が来たり、教授や同僚などとの人脈が広がるようになります。これにより、フリーランスの選択肢が増えたといえるでしょう。
・女性医師の増加
「女性医師の年次推移(厚生労働省)」によると、全医師数に占める女性医師の割合は増加傾向にあり、平成24年時点で19.7%を占めるようになりました。
全体で見ると男性医師の割合がまだ高いのですが、女性医師も活躍ができる環境になったといえます。
このことからも、結婚や出産、育児などを機にフリーランスへと働き方を変える女性医師が増えているようです。
フリーランス医師のメリット・デメリット
テキスト
<メリット>
・自分でスケジュール管理ができる
フリーランス医師は、出勤日数や勤務時間を自由にコントロールできるのがメリットのひとつ。
「今週は子どもが通う学校で保護者会があるから1日休みを取る」
「来週は時間に余裕があるから出勤を4日間にする」
などと、自分の予定に合わせて働くことができます。
・人間関係のストレスが減る
勤務医は常に同じ人々と顔を合わせて働くのに対し、フリーランスの医師は短時間勤務が可能なため、性格が合わない人と無理な人間関係を築く必要がありません。
また、複数の病院を転々とするため、性格が合わない人がいた病院を選択肢から除外することも可能になります。
・収入を決められる
フリーランスの医師の場合、給与が日給で支払われる仕事がほとんどなので、募集されている仕事によって日給もさまざま。自分のスキルと稼ぎたい収入に合わせて、仕事を選ぶことができます。また、勤務先によっては勤務給与を交渉することも可能です。
<デメリット>
・支出が増える
医師としての知識を養う学会や医師会など、病院で機会を設けてくれていたものへの参加が自己負担になります。そのため、勤務医に比べてフリーランスの医師の方が勉強費用に関する支出が増えるというデメリットがあります。
また、学会などに参加するためには、開催のタイミングを自分で調べなければなりません。
・スキルアップが期待できない
勤務日数が不安定だったり、同じような仕事内容が続くとスキルアップの向上に期待ができません。また、自分でスキルアップをするとなると、研修や新技術の勉強などに時間を割く必要があるため、家事と仕事を両立するママドクターとしては、時間作りが難しいポイントになります。
フリーランスの医師として働くには、メリット・デメリットがあります。
結婚や出産を経て、フリーランスになることをお考えの方は、ライフスタイルや将来設計をしっかり考えることが大切です。