子どもが食物アレルギーであると診断されると、毎日の食事作りには注意が欠かせません。
アレルギーの対象となる食品を避けて朝昼晩と料理を作り、それに加えて栄養管理も必要になります。
しかし、食物除去をしながら料理を作ると、特定の食材しか使うことができないために、どうしても同じようなメニューばかりに偏りがちに。
「これでは栄養不足になってしまうのでは……」と心配になる方も多いでしょう。
とくに、医師として働きながら子どもの食物アレルギーと戦うママドクターにとって、日々の食事作りは大きな負担になるもの。そこで今回は、日々奮闘しているママドクターに向けて、食物アレルギーの除去食による栄養不足やその対策方法についてご紹介いたします。
食物アレルギーの除去食が原因で栄養不足になることはある?
幼い子どもの成長を支えるためには、栄養バランスのいい食生活が重要になります。
しかし、食物アレルギーを発症すると特定の食品を摂取することができません。
そのために周りの子どもたちよりも体が小さかったり、体調が不安定になってしまっては母親として心配になってしまいますよね。
実際に、除去食がワンパターンになると、成長や健康に必要な栄養が不足してしまうこともあります。とくに、食物アレルギーで多い「卵」「鶏肉」「小麦」「牛乳」などを避けると、たんぱく質やカルシウムなどの重要な栄養が不足しがちに。
除去食でも栄養不足になることを避けるためには、食材選びをこだわり日頃の料理で工夫を取り入れることが大切です。
次に、除去食による栄養不足の対策方法についてご紹介いたします。
食物アレルギーの除去食で栄養不足を回避する対策方法
・代わりとなる食材をたくさん使用する
食物アレルギーの対象となる食品を避けつつ、栄養不足も回避するためには除去食作りの際に使用する食材選びが重要になります。
たとえば、牛乳アレルギーの場合、成長に欠かせないカルシウムが不足しがちになります。これを防ぐためには、カルシウムを多く含む別の食材を意識して料理に使用していきましょう。カルシウムを多く含む食材は、ひじきや小松菜、桜えび、しらす干しなどが挙げられます。
また、鶏肉や卵アレルギーの場合はタンパク質が不足しやすくなるため、豆腐や牛乳、鮭などで応用し、小麦アレルギーの場合には一般的なパンや麺を避け、米を主食にすることで対応できます。
・主食と主菜、副菜の3つのバランスをとる
日々の食事を作るときには、主食と主菜、副菜の3つを用意するように意識することも大切です。主食とは、白米やパン、麺などの食事のメインとなるものを指します。パンや麺などが食べられない場合には、米粉を使ったパンや麺で代用するのもおすすめです。
また、主菜とは肉や魚、乳製品、大豆製品、卵料理などでタンパク質を摂取するためのものです。メインのおかずとなるものなので、しっかりとボリュームのある料理を用意しましょう。
副菜は、野菜やきのこ、フルーツ、海藻などを使った料理です。ビタミンやミネラルなどの健康管理に必要な栄養を副菜で補います。サラダやソテーなど、1~2品ほどあると栄養バランスがとりやすくなります。
食物アレルギーは、成長とともに症状の軽減や改善が望めるもの。そのためにも、日々の食事で健やかな成長を支えてあげることが大切です。
女性医局では、医師として働き子育てにも奮闘するママドクターに向けて、生活のためになる情報を配信しています。仕事と子育てを充実させるためにも、ぜひ参考にしてみてくださいね。