夜間に仕事をすることを夜勤といいますが、これと似たような意味の言葉に「当直」があります。
医療の仕事は人の命を預かるという性質上、24時間体制で稼働していることがほとんど。
夜の時間に勤務するという点では、夜勤も当直も同じです。
とはいえ、夜勤と当直には違いがあり、定義は異なります。
それぞれの正しい意味について知っておきましょう。
夜勤とはどんな勤務体制?
日勤と夜勤のシフト制の場合、たとえば朝の9時~17時の勤務が日勤となるのに対して、17時~翌朝9時までの勤務が夜勤となります。
このケースなら日勤は8時間拘束であるのに対し、夜勤は16時間拘束されるため、2日分の勤務ということになります。
法定労働時間は一週間につき40時間と定められているので、日勤なら週5日勤務ですが、夜勤の場合は最大で週3日程度の勤務ということになります。
また、夜勤は日勤に比べて負担が大きいため、深夜割増賃金がつきます。さらに、夜勤の勤務時間が長くなる場合は仮眠を取れるケースもあります。
当直とはどんな勤務体制?
当直は、交代制で当番を決めて勤務する体制のこと。
労働基準法の上では宿直とも呼び、当直勤務をするためには労基署からの許可が必要になります。
当直の主な仕事は待機で、病院に泊まって見張り番をしながら、緊急事態に備えるのが主な役割といえます。
必要なときに責任者に連絡をしたり、巡回をしたりといった業務も当直の仕事です。
ただし、当直は軽微な仕事のみ可能という決まりがあるため、夜勤の常態勤務と同じような仕事をする場合は、当直扱いにできません。
当直の場合には、通常の労働に対する賃金とは別に、規定の当直手当を受け取ることができます。
気をつけておきたいポイントは?
当直は夜勤と異なり、緊急事態が起こらなければ基本的にのんびりと時間を過ごすことができます。
対応する用件がなければ睡眠時間を確保することも可能なので、当直は週40時間の勤務時間にカウントされない規定になっています。
しかし、当直の実態は病院によってさまざまなので要注意。
当直のスタッフが朝まで寝ていられる病院もあれば、当直であっても意外と忙しい病院もあります。
とくに、夜間でも救急車をどんどん受け入れるような病院なら、睡眠をとる暇もなく働き続けなければなりません。
そんな状況であっても当直明けには通常勤務をしなければならず、当直の実態がかなり重労働という病院もあるので、気をつけておきたいものです。
夜勤と当直はしばしば混同されがちですが、両者にはかなりの差異があるので、正しい意味を知っておきましょう。
勤務する病院の夜勤や当直の実態を、きちんと確認しておくことが大切です。