病院は大きく分けて自治体や公的機関が運営する公的病院と、個人または法人が運営する民間病院の2種類に分けられます。同じ病院とはいえ運営者が違えば雇用や診察の形態も違うので、医師の扱いも異なります。
女性医師が転職先を検討するうえで民間病院の特徴を知っておくことは大切です。
民間病院は給料が高い傾向にある
日本の病院の約7割は、個人や医療法人が運営する民間病院です。
公的病院は地域医療を支え、高度な医療を提供するという目的のために設置され、自治体や独立行政法人といった公的機関が運営しているため、多くの場合採算に重きを置いていません。
また、ほとんどの病院が赤字経営なので人件費を上げにくく、公立病院の医師の平均給与は1,494万円程度となっています。
一方、民間病院は赤字を出しても公的病院のように税金が補填されるわけではなく、収益を出す必要があるため、多くの病院で仕事ぶりに応じて報酬額が変動する年俸制が採用されています。そのため民間病院の医師の平均給与額は1,544万円程度と、公的病院より高い傾向になっているのです。(2014年度厚労省の調査より)
民間病院では豊富な臨床経験を得られる
公的病院は運営が国や行政、公共団体であるために豊富な資金で高度な医療設備を設置できるぶん、担当する医療内容も高度なものになっています。同じ消化器でも胃と腸とに分かれているように、診察科目も細分化されているのが特徴です。
一方、民間病院は設備に関わる費用を自力で用意しなくてはならないために、高額な医療設備を設置できる病院は限られています。また診療科も大きな公的病院ほど細分化されていません。民間病院では公的病院ほど高度な医療を行わない傾向がありますが、手技の習得やコモン・ディジーズを含む豊富な臨床経験を積むことが可能です。
一つの分野に特化したスペシャリストになりたい女性医師は公的病院、コモン・ディジーズに対応できるようになりたいなら民間病院が向いているといえます。
民間病院なら働き方を選べる
公的病院の医師は経験を積むため1~2年で系列の病院へ転勤するのが一般的ですが、近場での転勤とは限らず転居を伴う異動も珍しくありません。
しかし民間病院は異動があっても系列病院内で行われるので、公的病院に比べれば狭い範囲での引っ越しで済みます。
また、公務員扱いになる公的病院の医師はアルバイトなどの外勤ができないのに対し、民間病院なら常勤、非常勤どちらの求人も多く、外勤も可能としているところもあるので、自分に合ったスタイルで働くことができます。
民間病院とは収益を出すことが必要なので、多くの患者を診察するため豊富な臨床経験を得ることができるほか、給与は成功報酬型なので公的病院より高めに設定されているのが特徴の病院です。
珍しい症例よりコモン・ディジーズを多く診察したい、高めの報酬を得たい、柔軟な働き方をしたい女性医師の場合は民間病院が向いているでしょう。
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