女性医師は年々増加し活躍の場を広げていますが、多くの女性医師にとってライフワークバランスは常に悩みの種です。子育てや介護などのライフイベントは、仕事のしかたを考え直すきっかけになることが多いです。ライフワークバランスをどのように構築するかは、女性医師としてのキャリアをどう形成するかと同義といっても過言ではないでしょう。具体的にどのような方法があるのかについてご紹介します。
ライフワークバランスとライフイベント
東京都によると、ライフワークバランスとは、人それぞれの希望に応じて、「仕事」と子育てや親の介護、地域活動等の「仕事以外の生活」の調和がとれ、その両方が充実している状態をさします。主なライフイベントは、次のとおりです。
・結婚:幸福感に包まれる結婚ですが、現実的には家事がついて回ります。
・転勤や転居:自分自身や配偶者の転勤によって、転居する可能性がある方もいらっしゃるでしょう。転勤先での仕事や生活を新しく始める準備や引っ越しは大仕事です。
・妊娠出産と子育て:新しい命の誕生は、女性としてとても大きな喜びを与えてくれるでしょう。しかし、授乳期に母親は寝る時間もないほど忙しくなります。
・介護:いつ必要になるか、その予測の立てにくさが特徴のひとつです。
女性医師にとってのライフワークバランス
女性は、医師という仕事を選んだ時点でライフワークバランスの構築が始まっているともいえるでしょう。多忙で重責だからこそ、診療科や病院、パートナーなど先を見据えて選択する必要があるといえます。
診療科選び
厚生労働省によると、女性医師の活躍が進んでいるのは、皮膚科、眼科、麻酔科、小児科、産婦人科などで、いずれも男女比で30%を超えています。勤務時間の調整が行いやすいことが理由のひとつといえるでしょう。
病院選び
女性医師の退職を防ぐために、病院がどのような制度を導入しているか調べましょう。具体的には、女性医師数(常勤、非常勤、アルバイト)、院内に託児設備があるか、時短制度、休職数と復職数、休職や復職時にサポートがあるかどうかなどです。制度はあっても有名無実では実際の利用が難しい可能性が高いことが考えられます。
パートナー選び
家事や子育ては夫婦の共同作業という考え方を持っている人が理想的です。家事や育児の分担については、前もって決めておくとよいでしょう。夫婦それぞれの実家の力を借りながら、子育てする環境を整えておくことをおすすめします。
女性医師であり続けるために
医師の世界は男性社会とよくいわれますが、女性が男性とまったく同じような働き方をすること自体に無理があるといえるでしょう。ライフイベントなどにより働き方を見つめ直すとき、考えたいのは女性医師として自分が何を優先したいかです。人それぞれにニーズや希望が異なりますので、自分と家族にとって最善の選択をすることが大切になります。場合によっては転職や転科、臨床以外の仕事も視野に入れておくことを検討する柔軟さがあるとよいでしょう。
ライフワークバランスは、仕事と生活とで時間を取り合う競合として考えるのではなく、どちらにもよい影響を与え合い調和しようとする要素として考えます。ポイントになるのは、女性特有のライフイベントへの理解と男女の協力といえるでしょう。すべてを自分一人で引き受けようとするのではなく、家族や、時には友人の協力を得ながら、家事や子育て、仕事に集中する時間を作り出すことが大切です。
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