大ヒットドラマの影響もあり、最近はフリーで働くアルバイト医師に注目が集まっています。
その中でも、麻酔科医のアルバイトは特に需要が高く、常駐の勤務医よりも少ない勤務時間で同程度の年収を達成できるケースも多いといわれています。
実際のところ、麻酔科医がフリーで働くことにはどういったメリットがあるのでしょうか?
今回は、アルバイトいう働き方を選ぶ麻酔科医が増えている理由や、その実情について紹介します。
麻酔科がスポット勤務向きである理由
麻酔科医の業務範囲は、手術内容に応じた麻酔をかけ、手術中に血圧や脈拍を確認しながら患者の体の管理をし、手術後には麻酔から目覚めさせることです。
麻酔に関する業務のみを専門とするため、他科のように患者の主治医になることはありません。
手術前の検査や手術後のフォローといった患者の病状全般に関わる業務を引き受けるともありませんし、患者やその家族と深くかかわることも少ないのです。
麻酔科医はいわば単発型であるため、アルバイトとしてのスポット勤務にも向いているといえます。
常勤の麻酔科医は多忙な環境に置かれることも
緊急手術に対応しなければならない救急病院では、麻酔科医はオンコールで昼夜を問わず待機したり、手術室を行き来しなければならないような多忙な環境で働くこともあります。
多忙な病院で1日に何件もの全身麻酔を担当するという麻酔科医は、万一の事態を回避するため常に緊張状態が続きます。
こういった職場では、常に気を張っていなければならないため精神的な負担が大きいもの。
多忙なために出産や育児との両立がままならないことに悩む女医も少なくありません。
こういった事情が麻酔科医不足を招き、医師不足によって麻酔科医はさらに過酷な環境に置かれるという悪循環に陥っています。
この悪循環から逃れるため、フリーに転向するという麻酔科医が増えているのです。
アルバイトの麻酔科医が増えている理由
「医学部卒業後には大学病院の医局で研修医として働く」というのはもはや昔の話です。
新しい臨床研修制度では、研修先を自由に選択できるということもあり、かつての医局制度は瓦解しつつあります。
勤務医としてひとつの病院に常駐するのが当たり前という時代には、フリーという働き方を選択する医師はほとんどいませんでした。
しかし、医局制度の解体により、医師の働き方の選択肢は大きく広がることになります。
常勤でいることにメリットを感じないという人を中心に、アルバイトで働く麻酔科医は年々増加しています。
麻酔科医としての働き方を選べる時代
深刻な麻酔科医不足に喘ぎ「フリーの麻酔科医に高い報酬を払ってでも来てほしい」と考えている病院は多いもの。
アルバイトの麻酔科医という働き方には、一定の需要があるといえるでしょう。
常勤の麻酔科医よりもはるかに少ない拘束時間で同程度の年収を達成している麻酔科医は多いもの。
中には出産や育児など家庭の事情に合わせ、仕事量をグッと減らして自分のペースで勤務しているという麻酔科医もいます。
麻酔科医の業務内容は他科とは異なり単発型のため、フリーとして働きやすいという側面があるのです。
近年の医師不足の深刻化もあいまって、フリーの麻酔科医は増え続けています。
自分に合った自由な働き方を探しているのなら、アルバイトの麻酔科医という働き方を視野に入れてみてはいかがでしょうか。