医師も給与をいただいて働く労働者という一面がありますが、給与に不満がある場合にはどうしていますか? 給与交渉についてはタブー感もあるため、なかなか公に議論されることではありませんが、黙っていても自然に上がるものでもありません。そこで今回は、給与交渉に必要な「医師としての自分の価値」を知る2つの方法と、給与交渉に入るまでのスムーズな流れの作り方、交渉を決裂させないために覚えておきたい心構えについてご紹介します。
医師としての市場価値を知る2つの方法
給与交渉は、自分の価値を知るところから始まります。先輩や同僚、後輩といえども、なかなか自分の給与を教えてくれる人はいないでしょう。では、「自分の価値」はどのように確認したらよいのでしょうか。そこで、おすすめしたいのが、次のふたつの方法です。
・ネット上の求人を調べる
・医師専門の転職エージェントに登録をする
ネット上には、求人があふれていますので、ご自身のポジションに近い求人を探し、年収を調べることで相場が見えてきます。しかし、公開されている求人広告にはいいことばかりが書かれている可能性もありますので、より正確な数字に近づきたい場合には、転職エージェントに登録をしてみましょう。非公開求人を見ることができるようになったり、転職カウンセリングを受けることでご自身の相場を知ることができます。
実績と対目標進捗率をアピールした上で給与交渉を
日本では、あからさまな給与交渉は歓迎されないのが一般的です。そこで、給与交渉を上手に進める方法をご紹介します。まずは、実績を振り返り、それが目標に対してどれくらい進捗したかを説明、そして今後の目標を主張した上で、いざ交渉に臨むという流れです。新たに取得した資格や経験した症例はいつでも提示できようまとめておきましょう。
ポイントになるのは、自分の実績や目標がいかに病院にとって利益になるかという点です。病院も経営体のひとつですので、売り上げや予算に応じて人件費に回せる金額が変わってきます。経営には経営側の理屈があり、つねに給与アップに応じられるのではないことを忘れないようにしましょう。
給与交渉では額面だけにこだわらない柔軟さが大切
給与交渉は毎回上手くいくとは限りません。そのような場合、金額に固執してしまうと交渉が決裂する可能性を高めます。給与に関しては交渉する間柄でも、日ごろは患者さんのために働く者同士ですから、強引な展開を避け、できればわだかまりを残さないようにしたいところです。
そのためには、額面だけにこだわらない柔軟さが大切になります。金額以外にも、夜勤の回数や有給休暇の日数、研修参加などスキルアップのサポート、担当業務の見直しなど、自分にとってメリットになることを引き出すことも考えておきましょう。
「これがダメならこれで」というように、何段階かに分けて落としどころを設定しておくと、交渉を進めやすいといえます。長期戦に持ち込むという作戦もありますが、それが自分の評価にどうかかわって来るかを念頭に入れておきましょう。
医師も生活者のひとりですから、ずっと同じ給与で働き続けるのは難しいでしょう。給与交渉に臨むとき、大切なのは自分が給与アップの交渉を受ける側として考える視点を持つことです。「どのような成果を上げた、もしくは上げる見込みのある医師に昇給をオファーしたいか」を自分で考えてみましょう。交渉は互いの利害関係の上に成り立つもの。上手くいかないことがあることも想定して、交渉プランをいくつか用意しておくことと早めの準備開始をおすすめします。
女性医局では、年収アップや時間調整・勤務内容などの交渉を医療機関と柔軟に行っております。直接病院側へ希望を提示しにくい、または条件面の調整をどのように伝えたらいいか分からないなどの先生に代わって、より良い就業場所をお探しいたします。
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