医師として働くときには、専門とする診療科を選ぶ必要があります。女性医師は出産や子育てを経験することも多いため、ライフステージの変化に柔軟に対応できる病院で安心して勤務していきたいものですよね。そんな女性医師におすすめの診療科のひとつとして、小児科が挙げられます。
今回は、女性医師に小児科が向いているといわれる理由や、小児科に転科を考えるときのポイントについて紹介します。
女性医師は出産経験を現場に活かせる
小児科という診療科を選ぶことには、自身の子育て経験を直接仕事に反映できるというメリットがあります。
子どもを妊娠し出産することは女性にしかできないことです。子どもを育てれば突発的な出来事も毎日のように発生し、不安を抱えることも多いもの。子育てに真剣に向き合った経験は、座学では到底習得できない生きた学びとなります。
小児科には、高熱でぐったりした子を不安な気持ちで連れてくる親や、子どもの成長に悩み来院する親がたくさんいます。こういった方に対して同じように子育てをした立場から診察し、ときには共感しアドバイスをすることが、多くの方を救うことになるのです。
小児科は出産や子育てへの理解が得やすい
医師として働くのなら、誰かが妊娠したときに心から喜び、協力して仕事をカバーし合えるような職場を選びたいものですよね。小児科は子どもを診る診療科なので、妊娠や子育てに関して他科よりも理解が深いという特質があります。産前産後の女性医師に対して配慮してくれる職場を選べば、妊娠の経過に合わせて働き方を変化させることもできるでしょう。また、育児をする中での突発的な出来事に対して柔軟に対応してもらえる可能性も高まります。
女性医師が今後のライフプランを考えるのなら、妊娠出産や育児をするにあたって理解を得やすい小児科を選ぶのも1つの道といえるのです。
多様な働き方ができる小児科も増えている
妊娠出産や育児を経験する女性医師も多いと思います。子どもを産もうとする女性医師を取り巻く環境は以前に比べれば劇的に改善されたものの、まだまだ困難を感じるシーンもあるかもしれません。現に女性医師が離職するきっかけは半数以上が妊娠出産で、次いで4割近くが育児との両立ができないことです。
しかし近年では、現場の医師が「こんな働き方もできるのでは」というモデルケースを示す動きが広がっています。小児科はハードな分野と思われがちですが、しっかりと時間を区切って働ける環境を整えている病院も増えているので心配はありません。また、保育所を設置したり、ローテーション勤務をしたりと環境改善に努める医療機関もどんどん増えています。
女性医師の中には今後のライフステージの変化を見据えて転職や転科を考える方もいると思います。今までのキャリアを活かしながら自分らしく働いていきたい女性医師は、小児科を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
今だけでなく今後のことも冷静に考えて転職や転科をし、理想的な働き方を実現していきましょう。