「確定申告は開業医のみが行うことであり常勤の医師には関係ない」と考えている医師は多いと思います。
しかし、勤務医であっても確定申告が必要となるケースはあるものです。
確定申告が必要であるにもかかわらず申告をしなかった場合には、追徴課税や刑事罰の対象となる可能性も考えられるので注意したいですね。
そこで今回は、常勤の医師に確定申告が必要となるケースや、確定申告時の注意点について紹介します。
常勤の医師であっても確定申告が必要となるケース4つ
1. 複数の病院で働いている
常勤の医師が別の病院でアルバイトをするケースは多いものです。
勤務先が1つの場合には確定申告は不要ですが、複数の病院から給与を受け取っている医師は収入の合計額を申告する必要があります。
ただし、掛け持ち先の収入が20万円を超えない場合には申告不要です。
2. 原稿料や講演料、家賃収入を得ている
原稿の執筆や講演による収入、または家賃収入などの不動産所得がある医師もいると思います。
こういった収入は給与所得と合算し、確定申告をしなければなりません。
ちなみに原稿料は雑所得と呼ばれ、執筆に必要な医学書などの購入費などは申告によって差し引くことができます。
3. 年収が2000万円以上ある
年収が2000万円を超える医師は年末調整が行われないため、自身で確定申告をすることになります。
転職によって年収が大幅に上がることもあるため、自身の年収を確認して2000万円を超えるようならきちんと確定申告しておきたいですね。
4. 退職後、年内に再就職しなかった
退職時に源泉徴収済みの給与を受け取り、退職後に年末調整を行わないままでいると、正確な年収を把握できなくなります。
きちんと申告をしなければ過払い金が還付されない可能性があるので気をつけましょう。
正しく確定申告をし、トラブルを防ごう
1つの病院で働いており、他に収入を得ていない常勤の医師ならば、確定申告の必要はありません。
しかし、上記の項目に1つでも該当する場合には確定申告が必要です。確定申告では税金を徴収されることが多いですが、還付金が受け取れる場合もあります。
正しく確定申告しなかった場合には、脱税とみなされ医業停止処分や医師免許剥奪となる可能性も考えられます。
確定申告が必要なケースに該当する医師は、定められた期限内にきちんと確定申告しておきましょう。
「確定申告が必要なのか分からない」「働き方がイレギュラーなので判断が難しい」など疑問があるときには、税理士やキャリアコンサルタントに相談するのがおすすめですよ。
常勤の医師であっても、複数の病院で働いていたり年収が2000万円を超えていたりする場合には確定申告が必要です。
確定申告が必要であるにもかかわらず期限内に申告しなかった場合には思わぬトラブルに発展することもあるので要注意。
確定申告の時期が来る前に、申告をする必要があるかどうかをきちんとチェックしておくことをおすすめします。