これまで政府刊行の白書などにおいて、「50歳まで一度も結婚をしたことのない人の割合」を意味する言葉として「生涯未婚率」という言葉が用いられていました。
しかし今年5月政府は、ライフスタイルや結婚観の多様化に合わせ「生涯未婚率」という言葉の使用をやめ、今後は「50歳時未婚率」という言葉に統一していくという方針を発表しました。
女医は比較的、未婚率が高いとされることが多い職業の一つです。
このニュースを耳にしたとき、女医の結婚にまつわる「3分の1の法則」という言葉を思い出したという女医さんも多いかもしれませんね。
今回のコラムでは、女医の「3分の1の法則」とはどのような意味なのか、本当にそんな法則が当てはまるのかなどについて見ていきましょう。
女医にまつわる「3分の1の法則」とは?
女医として働く人なら、女医の結婚・離婚にまつわる「3分の1の法則」について、聞いたことがあるという人が多いかもしれません。
3分の1の法則とは、女医として働く人のうち「生涯未婚の人」「結婚した後、離婚する人」「結婚生活を続ける人」それぞれの割合が、ほぼ3分の1ずつとなるというものです。
つまり、
・女医の3分の1が生涯未婚で過ごす
・女医の3分の1が結婚した後、離婚する
・女医の3分の1が結婚生活を続ける
という割合になるという法則があるというのです。これは事実なのでしょうか?
3分の1の法則って本当なの?
3分の1の法則のうち「生涯未婚」については、総務省が2012年に発表した「就業構造基本調査」に基づいて算出された数値として、女医の生涯未婚率が35.9%であるというデータがあります。
2012年のデータなので、ここでいう「生涯未婚率」は、50歳時点での未婚率です。
また、7年前のデータなので、現在では多少変動しているとも考えられます。
しかし、3分の1の法則のうち「生涯未婚の人の割合」については、それなりにリアリティのある数字だと言えそうです。
残る3分の2の人は50歳までに結婚するということになりますが、そのうち半数が離婚するというのは、やや誇張された表現であると考えられています。
実際のアンケート調査などによれば、離婚を経験する女医は全体の2割程度という結果になることが多いようです。
「法則」を意識しすぎる必要はなし!
女医の結婚には「3分の1の法則」がある、などとまことしやかに語られると、「自分はどの3分の1になるのだろうか……」などと気になってしまう方もいるかもしれません。
しかし先述のとおり、3分の1の法則と呼ばれているもののうち、「生涯未婚率」についてはあくまでも50歳時点での未婚率だし、離婚する人の割合は全体の3分の1まで多くはないというのが実際のところです。
「女医だからなかなか結婚できないかもしれない」「結婚しても離婚することになるかもしれない」などと不安になるのはナンセンスです。
婚活の場面や離婚にあたって女医に多く見られる傾向や失敗談などを参考にしつつ自分の恋愛に生かすのは良いですが、3分の1の法則にとらわれすぎて焦る必要などまったくありません。
今後、自分らしい恋愛を楽しみ、理想の結婚生活を実現する女医が増えれば、「3分の1の法則」なんていう言葉も過去のものになっていくかもしれませんね。