現代では未就学の早い時期から習い事を始め、小学校入学前にはすでに平仮名や片仮名をマスターしている子どもも珍しくありません。
なかには、足し算や引き算、さらには英語までできるという子もいるほどです。
そんなことを耳にすると「遅れをとらないように我が子にも早期教育をすべき?」などと焦ってしまいますよね。
そこで今回の女性医局コラムでは、そもそも早期教育とはどのようなものなのかをお話しした後、早期教育のメリットやデメリットについてお伝えいたします。
早期教育ってどんなもの?
早期教育とは、小学校に入る前から読み書きや英語、スポーツなどの教育を取り入れることをいいます。
子どもの脳は0〜5歳に急激に発達するといわれており、この時期に教育をおこなうことで、その子の能力を高めることができるとされています。
ただ、現段階ではその効果は明確に証明されておらず、教育に携わる専門家たちの間でもさまざまな意見に分かれています。
ではどうするのが正解なのでしょうか? 早期教育にはメリットとデメリットがあるので、まずはそれぞれを知ることから始めましょう。
早期教育のメリット
子どもの得意分野を知ることができる
スポーツや音楽、芸術など幼児期の習い事は、子どもが何に興味を持ち、何が得意なのかを知る良いきっかけになります。
ピアノに触れさせてみたり、サッカーボールで遊ばせてみたり、いろいろな体験をさせることで子どもの得意分野が見えてきますし、じつは負けず嫌いな性格だったなど、新たな発見もあることでしょう。
基礎学力や社会性が身につく
脳が柔軟な幼児期にはたくさんのことを吸収するので、この時期に読み書きや計算などを教えると、高い基礎学力が身につきます。
また、集団で早期教育をおこなう場もあるので、早い段階からほかの子どもや大人たちと触れ合う機会も増え、社会性も身につくといわれています。
子どもに自信がつく
習い事などの早期教育を通し、先生や親から褒められることで、子どもは自分に自信をつけていきます。
時には失敗してしまうこともありますが、続けることで困難を乗り越える力も身につくことでしょう。そういった自信は今後の学習意欲にも大きく影響してくるのではないでしょうか。
早期教育のデメリット
一方的なインプット教育は逆効果
新しい情報や刺激を与えることは大切ですが、一方的なインプット教育ばかりを続けていると子どものやる気は長続きしません。
「ママにも教えてくれる?」と学習したことを子どもから話すアウトプットの機会を作ってあげるとやる気も記憶力もアップすることでしょう。
自主性が身につかない
早期教育ではこちらから情報を与え、それに反応する受け身の学習が多いといわれています。
これからの社会ではその人の自主性や創造性が大切になってきます。
自主性を育てるには、自ら考え判断し、行動することのできる環境を与えて、そのなかで思い切り遊ばせてあげるのが良いでしょう。大人は一歩離れたところから見守ってあげることが大切です。
ストレスの原因になることも
「友達の◯◯ちゃんはできるのに」と他の子と比較したり、親同士でライバル心を燃やし競い合ったりするのはNGです。
その子の特性や能力に合っていない教育や過度な期待は子どものストレスになってしまいます。
幼児期は親子の信頼関係を築く大切な時期でもあるので、無理に教室に通わせたりせず親子で楽しく遊ぶ時間を作ってあげるのも大切ですよ。
最近注目されている早期教育ですが、それは必ずしも必要なこととは限りません。
親は子どもの「やりたい」という気持ちを大切して、自主性を高めてあげることが「成長」につながるのではないでしょうか。