国立がん研究センターと国立循環器病研究センターなどは2011年8月4日、男女約8万7,000人を対象に行った調査から、食物繊維の摂取は女性の脳卒中や心臓病などのリスクを軽減する効果が認められれる一方で、男性に関しては効果が認められなかったと公表した。男性は喫煙率が高く、食物繊維の摂取によるプラスと喫煙によるマイナスが相殺しあったためと見られる。(参考:国立がんセンター、がんの施設別データを公表)
調査は1995年から2004年まで約10年間、約8万7,000人を追跡調査するという形で行われた。調査期間中に2,553人が脳卒中、684人が虚血性心疾患を発症していたが、女性は食物繊維の摂取量が多いほどそれらの発症リスクが低かった。研究班は食物繊維の摂取が満腹感につながり、食べ過ぎを押さえるとともにコレステロールの排出を促したためと見ている。一方、男性に関しては食物繊維の摂取量と健康状態の相関関係は見られなかったが、非喫煙者に限れば男性でも発症リスクが低くなった。