厚生労働省は9月29日、国民が1年間に使った医療費の総額を示す2009年の国民医療費が前年度比3.4%増の36兆67億円となり、3年連続で過去最高を記録したと発表した。また、国民所得に対する国民医療費の割合は10.61%で、初めて10%を突破した。国民医療費は保険診療の対象となる疾病を全て合計したもの。国民一人の平均医療費も28万4000円となり、過去最高を突破している。
同省は国民医療費高まりの原因は病気にかかりやすい高齢者が増えていること、医療技術が進歩し高度で高額な検査が普及したことが原因であると推測している。特に後期高齢者の医療費は全体の32.6%を占めており、その5割を税金、4割を現役世代がまかなっているため、医療費負担が現役世代を圧迫する構図は年々強まっている。
厚労省は2025年度には国民医療費が52兆円程度にまで膨らむ可能性があるとしている。