【海外で活躍する女性医師を訪ねて ~医大生英国探訪記~】
<ジャパングリーンメディカルセンター内藤亜由美先生インタビュー>
ジャパングリーンメディカルセンターはロンドンで生活する日本人を対象にした日系医療機関。
こちらに勤務されている内藤亜由美先生にお話を伺った。
カメさんのスピードでいいの。それが私に合っているなら。
内藤先生は小柄で華奢な先生にもかかわらず、力強く、逞しい印象を受けた。内藤先生は、大学卒業後、大学病院の医局に入局し、しばらく日本で医師として働いた後、ロンドンに向かわれ6年間勤務されている。
「とにかく思いついたら行動に移すこと、後のことはなるようになる。」―――とはいえ、現在の生活がある限り、そこには自分ひとりではなくさまざまなことが関わりあっているため、思いついたことをそのまま行動することは現実としてすごくストレスのかかることである。しかし、それが本当に自分の心から欲することなのであれば、たとえ一気にチャレンジすることができないにしても、可能性を探りながら少しずつアプローチをかけ、目標として掲げて努力していけば良いのではないだろうか。何が自分を満足させるのか、自問自答を繰り返し、そのときベストだと思える選択をしていきたい。もちろん、すべてを手に入れることは難しい。実際に先生は、日本で医師としてのキャリアを積むという選択を捨てられた。しかし、先生はおっしゃった。「カメさんのスピードでいいの。ウサギのように働き詰めてへとへとになるのはゴメンだと思ったの。逃げていると思われることもあるかもしれない。
「誰にどう思われるかよりも自分がどう思うかよ。」と。
行動を移すときの自分の不安に対する支えのひとつとして、大学時代の友達は本当に大切。
しかしながら当然、大きな決断をする際には不安はつきものだ。すべての不安を払拭することはできなくても、何でも相談できる友人をもつことは本当に大事だと。学生時代の友人も皆、それぞれの方向でご活躍されており、そんないろんな環境にいる昔からの仲間だからこそ、自分の悩みや不安を相談しても、その悩みを真剣に受け止め、いろいろな角度からアドバイスをしあうことができる。
今の私にとっても大学の友達はみんな大切です。やはり、みんな育ってきた環境も、物事に対する考え方も、価値観も全く違う。もちろん、それが原因で悩むこともある。しかし同時に、みんな同じ目標を持ち、目の前にあるたくさんの自力で乗り越えなければならない大きな壁を一緒に突破していく、大切な存在です。
【インタビューを終えて】
学生である今は、まだその存在の重要性に十分気付けていないかもしれない。だけど、これから私たちを待ち受けているであろうたくさんの障害物を越えていくためにはきっとその戦友の力が絶対必要となるのでしょう。
執筆者:東京女子医科大学4年:永井阿貴、佐藤由利子
※記事提供元:「海外で活躍する女性医師を訪ねて~医大生英国探訪記~」