キヤノンの生駒俊明副社長は1日、X線を使わずに乳がんを早期発見できる新たな診断装置を京都大学と共同開発し、早ければ2015年に実用化できると発表した。
診断装置は光の音響効果を活用したもので、光を反響させて患部を映像化させる装置。乳がんの画像診断ではマンモグラフィーや超音波による診断が行われている。マンモグフィーは乳腺・乳房専用のレントゲン撮影装置で、一回の撮影で乳房が受ける放射線の量は東京からニューヨークへ飛行機で行く時に浴びる自然放射線(宇宙線)の量のおよそ半分と言われている。
同社と京都大学は2006年に「高次生体イメージング先端テクノハブ」プロジェクトを発足し病気の早期発見につながる医療診断機器の研究開発や臨床研究の促進を行ってきた。
また同社は京都大学が設立を進める「先端医療機器開発・臨床研究センター」を支援するため5億円の寄付を行う。