大阪大病院は、妊娠中に子宮頚がんが見つかった女性で、今年6月に子宮頚がん摘出手術を行い、11月25日に無事に女児を出産したと発表した。担当した同病院榎本隆之准教授によると国内では初めて、世界でも5例目だという。
患者は妊娠8週目の健診でがんが見つかった。通常は中絶してがん治療を行うケースだったが、病巣部も小さく、患者の要望もあり妊娠を継続、妊娠15週に広汎子宮頸部摘出手術を行った。この手術は子宮を温存しながら子宮頸部と周辺部を切除する術式で、国内では270人の症例がある。女児は帝王切開にて出産した。
手術は病巣が2センチ未満だっため実施できたが、2センチ以上では転移・再発の可能性が高くなる。また出産後では症状が進んでいたという。榎本医師らは手術の大量出血に備え、また感染症防止の術後管理を徹底して出産を成功させた。