12日、自治医科大地域医療学センター公衆衛生学部門の尾身茂教授が、日本ワクチン学会で講演した。尾身教授は、これまでにウイルスの大きな抗原変異がないことから、昨シーズン流行した小中高校生よりも、今シーズンは乳幼児や成人に感染が広がる恐れがあるとした。ただし、ウイルスの抗原変異があれば、小中高校生にも感染が広まる可能性があると指摘している。
昨シーズン、世界各国に比べて、新型インフルエンザによる死亡率が低かった理由について、日本では若年者層に流行が集中し、中高年に感染があまり広まらなかったためだとした。また、学級閉鎖や、抗インフル薬の早期投与などが功を奏したという見方を指摘した。