ほとんどの抗菌薬が効かない多剤耐性菌の院内感染が各地で報告されることを受けて、厚生労働省で21日専門家による院内感染対策中央会議がおこなわれた。地域の医療機関でネットワークを構築し緊急時に速やかに対応がとれる体制を整えるべきなどの多剤耐性菌の院内感染に関する提言をまとめた。
院内感染対策中央会議では、300床以上の病院では、週に1度担当者が施設内の巡回を行い、予防策を講じるべきとした。
感染者が見つかってから4週間以内に同じ病棟で同じ耐性菌が3例検出された場合を「集団感染」とし、対策委員会を開き、専門家に相談するなどの対応を求める。さらに10人以上の感染者や死亡者が出た場合は保健所へ報告する。
また、各医療機関での院内感染対策に加え、大学病院や公的病院を中心に地域ネットワークづくりを提言。日ごろの情報交換や緊急時の連携がスムーズにとれる体制づくりを進めるべきとした。