◆平成22年12月12日(日)に女性医局と女性医療ネットワークとの共催研修会「胃透視を中心とした読影研修会-基礎とポイント」を開催。
今回は、講師にラ・クォール本町クリニック院長の瀧野敏子先生を講師にお迎えし、ジュノ ウィメンズ・ウェルネス銀座産院にて研修会を開催しました。
当日は、クリスマスプレゼントを見る人々であふれる歩行者天国を抜けて会場に到着。ブティックが立ち並ぶ銀座の華やかさと一変して会場は「勉強するぞ」、の熱意にあふれていました。今回の講師は大阪でクリニックを開院し、女性医師に対する啓発や女性医師が働きやすい環境を整えるために医療機関に働きかけをしておられる瀧野敏子先生をお迎えしました。参加者はほとんど内科がご専門で、読影には慣れておられるもののスキルアップが目的、という方がほとんどでした。瀧野先生が集めてこられた各地のがんセンターの多数の症例をみせていただき「所見のあるもの」を沢山目に焼き付けて覚えておく、という方法でした。
今回の講義で、特に先生が強調された、“見落とさないポイント”は
胃X線写真読影の使命は、
Lintis Plasticaと胃上部のⅡcを見逃さないこと
通常の研修会と異なり、医局のカンファランス、あるいは学校の講義のようで次々に当てられては答えていく、という参加型の研修会で久々にカンファレンスを思い出した方も多かったのではないでしょうか。
「参加された先生からの声」
◆読影にあたっての明確な指針を与えていただけたと思います。これまで漠然と陰影として見ていたものに、立体的なイメージが伴ってきた気がします。本で学ぶのでは得られない、貴重な機会でした。ありがとうございました。読影の技術的側面はもとより、医療現場の空気感まであじあわせていただきました。胃透視というものが、からだの一部にバリウムを付着させた映像なのではなく、一連の診断・治療技術の中にしっかりと位置づけられ たものだと理解できた気がします。
(一般内科ご専門医)
◆私は内科外来に従事しているものですが、時々患者様のバリウムの健診結果をご説明する機会があります。読影のレポートがついているので自分で読影することはないのですが、説明する際にやはり基礎的な知識があった方がいいだろうと思い、受講させて頂きました。
消化器内科医として臨床研修の後の2年間を過ごしましたがその間にバリウムの基礎的な知識を体系立てて教わることはなく、ほとんどが内視鏡で、数える程度に上級医についてバリウムの撮影についただけでしたので、今回の滝野先生のご説明を伺い、目からうろこがとれるような気が致しました。
(消化器内科ご専門医)
◆見るべきポイント、見逃してはいけないポイントがわかったのでとても良かったです。また多くの症例を見ることができてよかったです。
色々な科の方が来られているので、基本的な透視の読み方(前壁、後壁の判断の仕方など)もあればよかったかなと思います。
(内科ご専門医)
◆症例を中心に、研修生参加型の講義は非常に良かったです。
(皮膚科ご専門医)
◆テンポのいい授業を聞いている感じでわかりやすかったです。胃の解剖レベルから説明していただいたので、学生時代の記憶を思い出しながら理解することができました。
(一般内科ご専門医)
先生のご紹介
瀧野敏子(たきのとしこ)先生
ラ・クォール本町クリニック院長
NPO法人「イージェイネット(女性医師のキャリア形成・維持・向上をめざす会)」 代表理事
NPO法人「女性医療ネットワーク」 理事
/米国内科学会日本支部 Women’s committee 委員長
○経歴
1981年 大阪市立大学医学部を卒業。
東京女子医科大学、国立小児病院(現、国立成育医療センター)、昭和大学藤が丘病院、淀川キリスト教病院消化器科医長を歴任。
その後、2004年に開業し、2005年にイージェイネットを設立。
女性医師が働き続けるための環境づくりに早くから取り組み、結婚・出産・育児を行うための環境整備や支援体制の構築にご活躍されています。