福岡県内の看護師が、エイズウイルス(HIV)の感染検査の結果が陽性だったことを本人の了承なしに勤務先の総合病院に伝えたため退職を余儀なくされたとして、両病院に対して1100万円の損害賠償を求めて提訴を起こした。(参考:新規エイズ患者報告数が過去最多に)
訴状によれば、訴えを起こした看護師は2011年の6月ごろに目の異常を感じて勤務先の総合病院で検査を受け、8月にはその総合病院に紹介された大学病院で簡易検査を受けた。
結果は陽性だったが、看護師はその際大学病院の医師から「他人に感染するリスクは小さく、勤務先の上司に伝える必要もない」と聞いたため、勤務先に結果は伝えず職場復帰した。
しかしその後看護師は上司から「患者に感染させるリスクがあるので休んでほしい。業務規定では90日以上の休職は退職扱いになるが仕方ない」と告げられ、大学病院が看護師に無断で総合病院にHIV検査の結果を報告していたことが明らかになった。
看護師は休職したのち、11月末に退職した。