2002年5-6月、美容整形手術を受けた主婦が、嗅覚障害と診断され、05年8月に自殺した(当時53歳)。この自殺の原因は、手術の失敗であるとして、遺族が東京都新宿区内の診療所に5413万円の損害賠償を求めた。
19日、岡山地裁で判決が言い渡された。工藤涼二裁判長は手術ミスなどを一部認め、診療所側に853万円の支払いを命じた。一方、自殺との因果関係については「ミスなどが原因で自殺するとまでは通常考えにくい」として退けた。判決で工藤裁判長は「手術により、嗅覚障害と二重まぶたのいびつさを生じた。また、嗅覚障害が生じる危険性を十分説明しないまま再手術を行った」とした。