日本再生医療学会は2月1日、再生医療に関する声明を発表した。会員医師に対して患者の安全性の確保と適切な再生医療を実現するため、法令やガイドラインの遵守、未認可の幹細胞を用いた医療行為に関与しないよう要求した。
声明では、昨年の「ヒト幹細胞を用いる臨床研究に関する指針」の改正によって、ES細胞、iPS細胞等を含む幅広いヒト幹細胞の臨床研究の実施が可能になったことや、来年度からの、文部科学省、厚生労働省、経済産業省による「再生医療実用化ハイウェイ事業」の実施など再生医療に係る制度や基盤の整備が進められている一方で、正規の手続きを経ずに再生・細胞医療と称する行為が行われていると指摘している。
患者の同意があれば国の承認を得ずとも実施出来るためで、がん治療などに効果があると称して不適切な幹細胞治療が行われているという。
同会は幹細胞治療に対する誤った認識が広まるだけでなく、日本が幹細胞治療において規制の緩い「therapeutic haven」として他国から利用されることを憂慮している。
また患者に対しても未承認の再生・細胞医療を安易に受診しないよう呼び掛けている。