日本国内で2007年から2009年の間に薬事承認された新薬、および適応拡大が認められた268品目のうち半数強に当たる154品目の治験に対して、医療に関する調査や研修などを行う国立病院機構が関与していたことが6月1日に厚生労働省の検討委員会で明らかとなった。
治験とは、医薬品などの承認を受けるために必要な臨床試験のこと。治験が行えるのは省令に定められた複数の条件を全て満たしている病院のみで行うことができ、いわゆる「一般人」でも参加することが可能だ。
国立病院機構は、日本でもっとも強い病院ネットワークを持つ独立行政法人。国民の健康の増進のために医療を提供し、また研修などを行っており、北海道から沖縄までの100以上の病院・医療施設が所属している。また本部には総合研究センター治験推進室を配置し、製薬企業の治験依頼を引き受けて大規模治験を展開するなどしており、68施設には治験・臨床コーディネーター(CRC)を配置し、チーム内の調整などを行っている。
CRCの配置されている65施設で治験状況を調査したところ、07年は全承認品目の65。4%、08年は49.4%、09年は57.4%にかかわっていた。また治験実施症例数も2003年の2789年から年々増加しており、2005年には4803件を達成。その後も年間4000件以上の高水準を維持している。