7月19日、田村厚生労働相は世界初のiPS臨床研究を正式に承認した。
(参照:「東京都産婦人科医会が第284回東京産婦人科医会臨床研究会について発表」)
昨年の山中伸弥氏のノーベル賞受賞で多くの人に知られるようになったiPSという言葉。今回、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いて目の難病「加齢黄斑変性」を治療する臨床研究の実施が正式に認められた。この臨床研究は以前より理化学研究所などによって申請されていた。
読売新聞によると、治療は来年夏にもスタートする予定。山中伸弥氏(京都大)が実施を発表し、これより世界初のiPS細胞による再生医療が行われることとなった。加齢黄斑変性とは、目の奥にある網膜の一部に異常がおき、視界の中央がゆがんだり黒く欠けたりする疾患である。同研究所の高橋政代プロジェクトリーダーらは、 患者の皮膚の細胞からiPS細胞を作り、網膜の細胞に変化させてシート状に加工したものを患者の目に移植すると説明している。対象患者は、薬などによる既存の治療法で成果が出なかった50歳以上の6名。4年間経過を観察し、安全性と有効性をしっかりと確かめていくとのこと。