2005年に癌で亡くなった新潟県三条市の60代男性の遺族が、検査結果を確認せずに適切な治療を行わなかったとして、新潟県と当時の新潟県立加茂病院の主治医に対して約5000万円の損害賠償を求めていた訴訟で、新潟県は6月10日、裁判所が示した1965万円を支払うという和解案を受け入れることを発表した。
同病院によれば、男性は2003年5月の検査で胆管細胞癌などを疑う所見が出たにもかかわらず主治医は確認を怠ったという。その約1年8ヵ月後に男性はほかの病院で検査を受けたところ、癌が肺などに転移していたことが判明した。男性は2005年6月に死亡し、同月に加茂病院は主治医を懲戒戒告処分に処していた。遺族は2008年に新潟地方裁判所へ提訴しており、同地裁の示す和解金額に遺族と県の両者が和解したことになる。