国立感染症研究所の研究によると、昨年流行したH3N2型のインフルエンザワクチンはウイルスの遺伝子変異により効果が低くなっていた可能性があるとわかった。
(参照:鳥インフルエンザを発見する50倍以上の高感度簡易測定を開発)
インフルエンザワクチンは鶏の卵の中で培養して作成する。しかしその作成過程で遺伝子変異が起き、元のウイルスに比べて8倍以上の変化があると抗体のできが悪くなることもあり、32倍を超すとワクチン効果はほとんどないとされている。これにより、昨年流行したH3N2型はワクチン作成の段階で遺伝子が変異しワクチンとしての効果が低かった可能性がある。
国立感染症研究所の調査によると昨年のH3N2型のワクチン効果は全て8倍以上の変化が見られ、そのうち32倍以上は74%となった。高齢者を対象とした調査では、ワクチン効果は10%未満だったということがわかった。
今年は遺伝子変異が少ないウイルスを使用したため、8倍以上に変化したのは93%、32倍以上は1%にとどまり効果は期待できるとのこと。しかし、ワクチン接種後も安心はせずに予防対策は変わらずに徹底する必要がある。