深刻化する刑務所の医師不足について法務省の有識者検討会は21日、給与引き上げなどの待遇改善をまとめた報告書を谷垣禎一法相へ提出。
(参照:北海道 高橋はるみ知事「医師派遣の新しいシステムへ」)
法務省矯正局の報告によると、全国の刑務所に務める医師は定員332人に関わらず2003年は316人が今年には260人に減少。定員の8割を切り医師不足が深刻化していた。さらに、160の施設で常勤医を置くことが定められているが1人もいない施設は31施設ある。
刑務所での医師不足の原因としては一般の医師より給与が月20万以上低く、国家公務員のため兼業・副業が禁止されており、研修や臨床経験は無給となる。さらに社会的な認知度や評価が低いため、医師としてもキャリアップにもつながりにくいなどがあげられる。法務省は2013年7月から計4回にわたり、務所長、弁護士などで検討会を設置し検討会議を重ねてきた。
待遇改善の報告書には給与の改善、定年年齢の引き上げ、他の医療機関への兼業を認めるなどがまとめられている。谷垣法相は報告書の早急な対応実現をしていく意向をみせている。