ロシュ社とジェネンテック社が販売する抗がん剤「アバスチン(Avastin)」について、米食品医薬品局(FDA)の特別諮問委員会は6月29日、乳がんの治療薬としての明確な効果が認められず、むしろ服用した際の出血のリスクなどのほうが高いという理由から、承認取り消しを6対0で勧告した。(参考:乳がん再発の指標発見、がんを抑制するたんぱく質を特定)
アバスチンは2008年にFDAが進行性の乳がんに対しパクリタキセルとの併用治療を迅速承認したが、その条件として追跡調査実施が義務付けられた。これに基づき同薬を製造しているロシュ社とジェネンテック社は、試験を実施して結果をFDAに提出。しかし、試験では結果に改善が認められなかったことから、昨年、諮問委員会は承認取り消しを勧告した。これに対しジェネンテック社が異議を唱え、今回の公聴会となった。