自閉症は未解明な部分が多く治療法も確立されていないが、先月26日の米国医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン誌にて妊娠中の体内にて一部の脳細胞が発達不全を起こしている可能性があるという研究報告が発表された。
(参照:自閉症の人への支援 絵で意思表示して買い物をする「PECS」)
Photo:Pollyanna By Mona Loldwoman (Look for the good)
以前は1万人に4~5人が自閉症を発症しているといわれていたが、近年では診断基準の整備や早期発見への改善などもあるためか自閉症患者は急増している。米国の疾病管理予防局の調査によると、子どもの88人に1人の割合で自閉症と診断されているといわれている。
今回発表された研究結果は、死亡した自閉症と診断された子供とそうでない子どものそれぞれ11人の脳組織から分析。その結果、自閉症と診断された子どもには体内で形成されるはずの脳細胞の遺伝子マーカーが欠けるまたは異常パターンとなっていたことがわかった。その部分が感情、意思疎通、言語などコミュニケーションで重要となり社会的理解を制御する部分であった。これにより、遺伝子マーカーの変化が発生する原因は変わっていないとしているが、今回の結果が早期発見につながる可能性もあるとしている。