東京大学の宮崎徹教授(東京大学大学院医学系研究科附属 疾患生命工学センター 分子病態医科学部門)が、肥満から糖尿病や動脈効果などに進行するメカニズムを発見した。生活習慣病の新たな予防・治療法開発の可能性があると期待される。米国科学アカデミー紀要(PNAS)電子版7月4日発行号に発表された。(参考:薬の影響受けやすい子供の脳 猿への実験で判明)
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宮崎教授は2010年に、血中に存在しているAIM(Apoptosis Inhibitor of Macrophage)というタンパク質が脂肪細胞に直接作用することにより脂肪滴を融解していること、脂肪前駆細胞の成熟を抑制することで肥満が防げることを明らかにしていたが、今回は現在すでに肥満が亢進してしまった人に対しては、AIMを抑制することで糖尿病や動脈硬化防止につながることを明らかにした。
マウスを使った実験によると、AIMの作れないマウスを過度に肥満させても糖尿病は発症せず、また動脈硬化についても発症がかなり抑制されることが確認された。したがって、AIM阻害剤を使用することにより、肥満から病気への移行は防げると考えられる。