先月30日、厚生労働省は妊婦中の女性が、皮膚に貼るタイプのケトプロフェンを使用することにより、なんらかの悪影響により胎児への副作用があったと発表。同様の内容と見られる報告もが5件あったとされている。製薬会社へ妊婦が使用しないよう添付文書の使用上の注意の改訂を指示した。
(参照:2004年の流行を上回るペース。風しんで胎児障害が11人目と発表)
Photo:lieb Dich* love you* By Heike Giesler (slow)
ケトプロフェンのテープ剤の貼り薬として一般的なのは「モーラステープ」や「エパテックゲル」という名称で処方または市販薬として販売されており、モーラステープは年間推定約917万人が使用している。胎児への副作用があったケースは1995年12月の販売開始から今年1月までに5件。そのうち妊娠28週目以降の女性は4件だった。副作用としては胎児の心臓につながる動脈血管が収縮し胎児が肺高血圧症を起こすなどのケースが4件。羊水過少症になったケースが1件であった。現在、胎児は副作用の症状から回復している。
厚生労働省ではケトプロフェンの影響か因果関係が否定できないため、久光製薬など製薬会社へ添付文書の使用上の注意の改訂を指示。「禁忌」の項目に妊娠後期の女性が使用しないよう改訂した。