7日、東京都医学総合研究所の田中啓二所長、松田憲之プロジェクトリーダーら研究チームは英科学誌ネイチャー電子版にてパーキンソン病を抑制するタンパク質を特定したことを発表した。
(参照:パーキンソン病治療の新動向。次々に登場する新製剤により治療の選択肢も豊富に)
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根本的な治療法が見つかっていないパーキンソン病。今回の研究ではマウスやヒトの細胞を使い全体の1〜2割で発症している遺伝性によるパーキンソン病について調査。その結果、「ユビキチン」というタンパク質がリン酸と結びつくことによりパーキンソン病の発症を抑えていることがわかり、神経細胞に異常があるとこのタンパク質が作られると考えられる結果につながった。今回の調査では遺伝性のパーキンソン病について調べたが遺伝性でないパーキンソン病でも同じ可能性があるとしている。
プロジェクトリーダーである松田氏は「ユビキチンというタンパク質を調べることにより早期発見にすながる可能性がある」と話している。パーキンソン病を検査する際はパーキンソン病を見つけるための検査ではなく血液検査、X線検査、CT検査、MRI検査などをして似た症状の他の病気の可能性がない場合にパーキンソン病と診断される。時間がかかってしまうため、今回の研究結果から早期発見につながる可能性があるとして期待されている。