国立成育医療研究センターなどがまとめた研究報告によると、生後直後から赤ちゃんの皮膚を保湿し続けることによりアトピー性皮膚炎になるリスクを軽減できるという。
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研究では親または兄姉がすでにアトピー性皮膚炎と診断されている赤ちゃんを対象に調査。116人の赤ちゃんを2つのグループに分け、体を洗った後の対応をひとつめのグループは皮膚の乾燥が目立つ部分ワセリンを塗り、もう一方のグループは全身に保湿剤を塗り32週間後のアトピー発症率を調べた。皮膚の乾燥部分にだけワセリンを塗った赤ちゃんのうち58%がアトピー性皮膚炎を発症。全身に保湿剤を塗ったグループは37%の赤ちゃんが発症した。この結果から統計学上、全身に保湿剤を塗ることにより発症のリスクを3割軽減することができた。
欧米でも赤ちゃんの皮膚を保湿することによりアトピーを予防できる可能性は報告されており、国立成育医療研究センター大矢幸弘アレルギー科医長は研究結果からさらなるアトピー性皮膚炎の予防やそれにつながる食物アレルギーの予防方法を見つけたいと意欲を見せている。この研究結果は9日に開催された日本アレルギー学会春季臨床大会にて発表された。